日本溶射学会は,2017 年6月に創立60 周年を迎えました.この記念事業の一環として,歴史に残る溶射技術関連遺産を大切にし, 文化的遺産として次世代に伝えることを目的に,日本国内の溶射技術にかかわる歴史的遺産「溶射遺産」(Thermal Spray Heritage)を 認定することとしました.ついては,この制度について,概要を説明しますので,多数の会員からの申請や推薦をお願いいたします.
(目 的)
歴史に残る溶射技術関連遺産を大切にし,文化的遺産として次世代に伝えることを目的に,主として溶射技術に関わる
歴史的遺産「溶射遺産」(Thermal Spray Heritage)について日本溶射学会が認定に関し,必要な事項を定めることを目的とする.
(認定の基準)
「溶射遺産」とは溶射技術の歴史を示す具体的な事物,資料(論文掲載のデータも含む)などであって,以下のいずれかに合致するものとします.
(1)現存する歴史的な溶射装置,溶射関連試験機器,溶射された象徴的な建造物,構造物,機器
(2)技術的な独創性・新規性により溶射技術に革新をもたらした溶射関連機器
(3)溶射の施工・試験技術の進歩に著しく寄与した溶射関連機器
(4)溶射産業の発展に著しく寄与した溶射関連機器
(5)技術的な独創性・新規性により革新をもたらした溶射された初期製品(被溶射物)
(6)溶射技術に関する歴史的意義のある溶射関連文書類,溶射技術に発展に寄与した論文掲載のデータ
(7)その他,溶射遺産認定委員会の認めるもの
(認定の手順)
第3条 溶射遺産は,会員からの公募を行い,溶射遺産認定委員会を設けて行う.溶射遺産認定委員会は,毎年1回または必要に応じて,
「溶射遺産」候補選定し,推薦候補を理事会に報告し,理事会が承認します.
(被認定物の扱い)
溶射遺産に認定された対象(以下,被認定物という)は,全国講演大会において認定証を授与し,さらに学会のホームページ,
学会誌を通じて公開して,溶射技術の普及と次世代に伝えることとします.なお,被認定品の維持・管理などは,本学会は原則として行ないません.
認定された溶射遺産をやむを得ず廃棄する場合は,事前に学会への連絡をお願いします.
(溶射遺産認定委員会 委員長)
溶射遺産認定委員会の委員長は,会員並びに学識経験者のうちから,理事会が選任し,会長が委嘱します.
(委員)
溶射遺産認定委員会の委員は,会員並びに学識経験者のうちから,委員長が次のものを選任し,理事会の承認を受け,会長が委嘱します.
(1)会長
(2)副会長(2名)
(3)事務局長
(4)広報委員長
(5)研究企画委員長
(6)編集委員長
(7)表彰委員長
(8)委員長が必要と認める者
(任期)
溶射遺産認定委員会の委員(委員長,副委員長を含む)の任期は,2 年とする.ただし,再任を妨げません.