1980年代にロシア科学アカデミーで開発された溶射法で,最近,アメリカ,ドイツを中心に開発,実用化の研究が行われている。
溶射材料の融点または軟化温度より低い温度に加熱(300~900℃程度)したガスを先細末広(ラバル)ノズルにより超音速流にして,その流れの中に溶射粒子を投入にて加速させ,固相状態のまま基材に高速で衝突させて皮膜を形成する技術。
ガスはヘリウム,窒素,空気などが使用され,ヘリウムは高い流速が得られる。
粒子を低速で衝突させても基材に皮膜は形成されず,場合によってはエロージョン磨耗が生じる。粒子の衝突速度が,500m/s以上になると粒子の運動エネルギーにより粒子が塑性変形して皮膜を形成しはじめる。この皮膜を形成しはじめる速度を臨界速度(Critical velocity)と呼ぶ。この臨界速度は,粒子と基材の材料,粒径などにより異なる。
溶射材料としては,金属(銅,ステンレス,ニッケル,チタンなど)をはじめ,プラスチックさらにはサーメット,一部セラミックスなども成膜することが確認されている。最近は,ガス温度の高温化が進み適用材料も増えている。
<プロセスの特徴>
<皮膜の特徴>